伝統の技と美
― 西陣織という文化

伝統の技と美
― 西陣織という文化

千年以上の歴史を持つ西陣織は、京都・西陣の地で育まれてきた日本を代表する織物です。絹糸を使い、緻密な文様を織り出すその技術は、代々受け継がれた職人の技と感性によって支えられてきました。婚礼衣装や高級帯として知られる一方で、そこには「一糸に思いを込める」という、ものづくりの精神が息づいています。

完成まで20工程以上。
見えない人の手の多さに驚くはず。

完成まで20工程以上。
見えない人の手の多さに驚くはず。

西陣織の生地が一反仕上がるまでに、20以上の工程を経て、延べ40人近くの職人が関わることも。図案を描く人、糸を染める人、織機を調整する人、織る人...全工程が分業制で、ひとつの工程でも狂えば、仕上がりに影響が及ぶほど緻密です。とくに手織りでは、文様の細かさによっては1日に織れる長さがわずか数センチ、完成までに1〜2ヶ月かかることもあります。私たちが「一枚の布」として手に取るその奥には、分担され、連携された技術の積み重ねが息づいています。

変化する現場
― 今を生きる西陣のつくり手たち

変化する現場
― 今を生きる西陣のつくり手たち

かつては街の至る所に機音が響いていた西陣も、今では織元や職人の数が大きく減り、高齢化や後継者不足が進んでいます。それでもなお、この伝統技術を継承していけるように、時代に沿った新たな取り組みが進んでいます。従来の手織りやジャカードではなく、現代の需要に即したレピア織機を活用するなど、生産の柔軟性と効率を高める取り組みを進めています。

未来へつなぐ
― TSUMUGIの想いと挑戦

未来へつなぐ
― TSUMUGIの想いと挑戦

TSUMUGIは、日常に寄り添う雑貨やファッションアイテムとしての再提案、小ロットからのOEM対応、海外への発信など、伝統を未来につなぐさまざまな取り組みを行っています。若い世代のクリエイターとの協業を通じて、新しい価値を生み出し続けること。そして、日本のものづくりの真髄を、次の世代へバトンのように手渡していくこと。それが、私たちTSUMUGIの使命です。

取材・撮影協力

株式会社もりさん 京都・西陣という高級織物産地にて大正十年創業。 従来の技法にとらわれず、時代に沿った西陣織の生産に取り組まれています。